理事長所信
一般社団法人土岐青年会議所
第61代理事長 加藤 大祐
はじめに
私たち一般社団法人土岐青年会議所は1965年の発足以来、60年にわたり先輩諸兄 姉から受け継がれてきた想いや誇りを胸に、地域社会の発展と次世代リーダーの育成に取 り組んできました。2025年度は設立60周年を迎える特別な年です。この節目に土岐青 年会議所の存在意義を改めて認識し、持続可能なまちづくりに向けた原動力をさらに強化 し、土岐市と私たちの未来を切り開いていくことが必要です。
今と向き合い未来を紡ぐ
市政情報によれば、土岐市の人口は平成8年の6万6千人をピークに年々減少傾向にあ り、令和に入ってからも毎年600~800人のペースで減少しております。幸いにも土岐 市は消滅可能性自治体には選定されておりませんが、人口減少は地域産業の担い手不足、伝 統文化の衰退、税収減少による財政悪化、まちの結びつきの希薄化といった様々な問題を引
き起こします。これによりまちの魅力が低下し、市民が市外へ流出することで人口減少が加 速するという悪循環が生じます。人口減少の要因は複合的であり、少子高齢化による自然減 や若者たちの都市部へ流出、雇用減少などが絡み合っています。人口減少は一朝一夕には解 決することが難しく、長期的かつ柔軟なアプローチが重要です。しかし昔と今でも変わらな
い、まちに活気を生み、人口減少に歯止めをかけるための要素があります。それは自信をも って誇れるまちを目指すことです。市民がまちに誇りをもつことは、共同体意識を強め、ま ち全体で協力し合う風土を生み、コミュニティの強化へとつながります。また次世代にもそ の意識を伝えることで、若者たちが進学や就職で一時的にまちを離れたとしても、最終的に
地元へ戻ってくる動機付けになります。土岐市を持続可能なまちにするためにも、私たちは 自信をもって誇れるまちを目指す必要があります。 誇りにつながるまちづくり まちに対する誇りをもつためには、様々なきっかけが考えられます。まちの歴史や文化に 触れたとき、コミュニティの一体感を感じたとき、他にはないオリジナリティのある行事へ
参加したときなど、誇りをもつようになるきっかけは多岐にわたります。多くの市民に誇り をもっていただくことは大切ですが、その中でも特に今後の土岐市の未来を担う子供たちに誇りをもっていただくことが重要だと考えます。若い頃に体験したことは、その人の人生 において強く記憶に残ります。言い換えれば若い頃から土岐市のことが好きだと思っても
らえれば、それは将来的に誇りにつながります。また土岐市は2025年度に市政70周年 を迎えます。市政70周年と土岐青年会議所設立60周年という二つの節目を迎える年に、 相乗効果を生み出すことで、土岐市の子供たちの記憶に残るような事業を展開し、土岐市に 愛着を持っていただき、将来的に土岐市に対して誇りを持っていただける取り組みを行い ます。
土岐青年会議所は2024年度に多くの新入会員を迎えることができました。会員数が 約2倍になったことは喜ばしいことですが、約半数が入会3年未満という新たな課題を抱 えています。組織の質を維持し、さらに次世代のリーダーとして活動していくためにも、会 員育成は喫緊の課題です。私たちが目指すべき姿は、まちの課題を解決するための能力を持
ち、さらに人として市民の手本となる人財であることです。そのためにもまずはJCの理念 と活動に対して理解を深め、一人前のJAYCEEとなるための基盤を築く必要がありま す。また所作の一つひとつが周囲から尊敬されるようにビジネスマナーの意識を高め、市民 の手本となる必要があります。周りからも自らも誇れる人財となれるように、会員一人ひと りの資質向上を図ります。
一つの組織が60年の長きにわたり活動を続けることができたのは、先輩諸兄姉や行政 機関、関係諸団体や土岐市の企業、そして何より私たちの活動に共感し、協力していただい た市民の方々のおかげです。10年に一度のこの機会に、改めてこれまで暖かく応援してく ださった皆様に感謝の気持ちを伝えるとともに、60年間の歩みを振り返り、土岐青年会議
所の存在意義を再確認します。また私たちが現在行っている活動と今後のビジョンを共有 し、さらなる期待を寄せていただくことを目指します。私たちが活動し続けられているのは 当たり前ではありません。様々な方に支えられながら、土岐市のために活動してきた先輩諸 兄姉の想いを紡いできたからこそ実現できたのです。温故知新の精神を大切にし、10年後、
100年後にも土岐青年会議所が活動し続けられるように、そしてこの想いが未来へ紡が れていくように、2025年度を機により一層土岐青年会議所の活動が盛り上がるように 決意を新たにします。
令和6年能登半島地震をはじめ、昨今災害が頻繁に発生しています。いつ起こりうるかも しれない南海トラフ巨大地震やその他の災害に備えて、私たち土岐青年会議所が防災につ いてどのような体制をとっているか会員全員が理解する必要があります。実際に土岐青年 会議所は一般社団法人焼津青年会議所や社会福祉法人土岐市社会福祉協議会、岐阜県内各
LOMと協定を結んでいます。その内容を理解し、次にとるべき行動を想定することで、有 事の際に迅速に実践でき、不要な混乱を避ける効果が期待できます。60周年の節目を迎え る年に、改めて災害に備えて意識を強化していきます。
2024年度の会員拡大は純増率約80%と有終の美を飾りました。JCは40歳で卒 業を迎えるため、会員拡大は新しいエネルギーを生み出すために恒久的に必須の使命とな ります。まちづくりやひとづくりをはじめ、私たち自身が土岐市の誇りとなれるような活動 を続けていれば、自信をもって会員拡大を実践できるはずです。しかし拡大活動についても
得意不得意があります。会員全員が会員拡大を実践できるように、まずは意識改革をする必 要があります。そのためには得意な会員と一緒に行動することで拡大活動を学ぶなど、全員 が会員拡大の仕方や秘訣を知る仕組みをつくることが必要です。一つひとつの活動や例会 を真剣に取り組み、自信をもって土岐青年会議所をアピールし、全員で会員拡大を実践して いきます。
2025年度は東海地区協議会へ委員長を輩出します。東海地区協議会への委員長輩出 は30年以上前となり、近年では体験できなかった絶好の成長の機会となります。また東海 地区協議会に限らず多くの会員に出向していただくことで、個人の成長だけではなく、組織 全体としての成長を目指します。出向者が精一杯活動できるように、細やかな情報共有とサ ポートを行っていきます。
2025年度は私たち土岐青年会議所にとって特別な年となります。この機会を最大限 に活かし、会員一人ひとりの意識改革を図ります。私には憧れる先輩方がいます。仲間と協 力し、ひた向きに土岐市のために活動する姿は、JCの三信条を体現しており、感銘を受け ました。会員一人ひとりが憧れられる存在となり、将来の新入会員や市民の手本となるよう
成長して欲しいと願います。そうして土岐青年会議所の想いや誇りを今後も紡いでいき、ま ちの皆様と共に輝かしい未来を創り上げていくために全力を尽くしていきます。
【誇りをもって未来を紡ごう】